電動コーヒーミルは21段階あっても粗挽きが出ない。段数より挽き目の両端

「21段階」でも粗挽きは出ません。段数ではなく、挽き目の両端で選ぶ。粉が残る量も 価格順ではない。道具しらべの比較記事のアイキャッチ

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粉で買っていたコーヒーを豆に切り替えて電動ミルを置くと、香りは変わりますが、粉が全部は落ちず周りに飛んで、朝の手間が一つ増えました。商品ページには「15段階」「21段階」と段数が前面に出ていますが、レビューを読むと、段数の多い機種にかぎって「粗挽きができない」と書かれていることがありました。Amazonで買える約4,000〜10,000円の電動ミル4台を、挽き目の両端がどこまで届くかと、粉がどこに残るかで並べます(挽き刃の方式は4台とも違う組み合わせです)。

挽き目の届く範囲は4台で違う。コイズミは極細から粗挽き、ソリスは21段階でも中細挽きまで、デロンギは細挽きから粗挽きだが両端は届かない、カリタは中挽きのみ

電動ミルが合わない場面

  • 豆の味を追い込みたい人。粒の揃い方を突き詰めるなら、この価格帯では届きません。2万円を超える機種や専用のグラインダーを見たほうが早いです。
  • エスプレッソマシン用の極細挽きが要る人。4台のうち極細側に届くと言えるのは1台だけで、それも「粗挽きはできない」という別の制約を抱えています。
  • 持ち運んで外で使いたい人。4台とも電源コード式です。充電式のコンパクトな機種は選択肢に入れていません。
  • 静けさが最優先の人。価格帯を問わず、豆を砕く音はそれなりに出ます。深夜や早朝に音を立てられない住まいでは、手挽きのほうが現実的です。

挽き目の両端・粉の出口・止まり方で見る

段数ではなく、届く両端を見る。「15段階」「21段階」は目盛りをいくつに割ったかであって、いちばん粗いところと細かいところがどこかは示していません。今回の4台では、ソリスは21段階あっても、レビューに「中細挽き・中挽き・粗挽きができない」という指摘が複数あり、細い側に寄っています。同じデロンギのコーン式(KG364J)は、メーカー自身が「中挽き〜極細挽き」と範囲を明記しています。一方、デロンギのうす式には「いちばん細かい設定にしてもエスプレッソには粗い」というレビューがあります。自分が使う挽き目が範囲の内側にあるかを先に確かめます。ペーパードリップやコーヒーメーカー中心なら、必要なのは中細挽きから中挽きのあたりです。

粉がどこを通って、どこに残るか。電動ミルの不満でいちばん数が多いのがここです。原因は、粉が落ちる通り道の長さと静電気で、上から下へ落ちる構造だと壁に粉が張り付きます。これは価格の順番になっていません。5,760円のコイズミに残りと飛び散りの指摘が最も集まり、9,945円のソリスにも「受けるコンテナの造りが安っぽく、周りにこぼれる」というレビューがあります。逆に4,082円のカリタは構造が単純なぶんこの不満が少なく、代わりに水洗いが一切できません。

止まり方。自分で押している間だけ動く(カリタ。挽き目は押す長さで加減)、時間で止まる(コイズミは10〜90秒の9段階、ソリスは最大60秒のタイマー)、杯数で止まる(デロンギ。設定した杯数ぶんを挽いたら自動停止)の3通りです。朝に前で待っていたくないなら、後ろの2つが楽です。ただし時間で止まるタイプは、豆の量を変えると同じ時間でも挽き上がりが変わるので、慣れが要ります。

挽き目の幅と粉の残り方で4台を並べる

止まり方は3通り。カリタは押している間だけ、コイズミとソリスは時間で止まる、デロンギは杯数で自動停止

機種 価格 挽き目(メーカー表示) 止まり方 水洗い
カリタ CM-50 約4,082円 中挽き50g/15秒の表記のみ(調節なし) 押している間だけ できない(ブラシで拭く)
コイズミ KKM-0400/S 約5,760円 極細挽き〜粗挽き(15段階) 時間9段階(10〜90秒) 上臼が外せる・ブラシ付属
デロンギ KG79JN 約8,227円 粗挽き〜細挽き(粒度ダイヤル) 杯数ぶんで自動停止 着脱式コンテナ
ソリス SK1661 約9,945円 極細〜粗(21段階)だが、中〜粗は出ないという声 最大60秒のタイマー ホッパーが分解できる
くわしい仕様を見る(評価・刃の方式・容量・消費電力・サイズ・質量・生産)
機種 評価 挽き刃の方式 一度に入る量 連続使用 消費電力 本体サイズ(約・mm) 質量(約) 生産
カリタ CM-50 ★4.2(約1,580件) プロペラ式 50g 60秒 115W 99×82×178 750g 日本製
コイズミ KKM-0400/S ★3.9(約110件) コニカル式 ホッパー約160g/受け皿約60g 90秒 約130W 115×180×283 1.4kg メーカー公表なし
デロンギ KG79JN ★4.6(3件)※前身KG79Jは★3.8(1,046件) うす式 ホッパー120g(約12杯分) メーカー公表なし 150W 130×160×260 1.5kg メーカー公表なし
ソリス SK1661 ★4.3(約380件) コーン式 ホッパー約300g/コンテナ約70g 1分 135W 135×170×285 1.5kg メーカー公表なし

数値・価格・評価は執筆時点のものです。仕様は各メーカー公表値、価格・評価はAmazon掲載値です。ソリスの段階表示はメーカー表で、極細1-4/細5-10/中細11-15/中・粗16-21です。

4台それぞれの朝の台所

カリタ CM-50

向くペーパードリップ1本で、挽き目を毎回変えない。置き場所が狭い。

向かない挽き目を数字で決めたい。水で洗いたい。

4台で唯一1kgを切る750g。約4,082円で、押している間だけ動く単純な構造の日本製。

幅99mmで、中挽き50gを15秒で挽きます。レビューには「6年ごとに買い替えている」という長期の使い手がいて、充電式のミルが途中で止まるのに嫌気がさして電源式のこれに乗り換えた、という声もありました。気になるのは、挽き目を数字で選べず、押す長さで加減するので毎回同じ粗さにするには慣れが要ること。ホッパーも粉受けも外れず、水洗いができません(付属のハケで粉を払う手入れ)。海外のレビューには「刃が豆を焼いて香りを損なう」という強い否定もありました。

コイズミ KKM-0400/S

向く挽き目の幅がいちばん広いものを、1万円以下で探している。

向かない毎朝、掃除に時間をかけたくない。

コニカル式で安く(約5,760円)、15段階で極細挽きから粗挽きまで届くとメーカーが示す。

幅115mmと、臼式のなかではかなり小さく、市販の紙フィルターを受け皿に直接セットして移し替えの手間を省けます。コーヒーマシンの輸入販売に関わっていたという人が「安価だが出来が良い」と書いていました。気になるのは、挽いた粉の一部が本体に残ること。「10〜20%が落ちてこず、10回以上叩いたり揺らしたりしないと出ない」という詳しいレビューは15人が役に立ったと評価し、隙間から粉が飛び散るという指摘も複数あります。付属ブラシでは落としきれず、別売のミルブラシを買い足した人もいました。紙フィルターを挟む使い方も、2〜4人用だと容器との隙間に粉が落ちます。

デロンギ KG79JN

向く朝、ミルの前で待っていたくない。杯数で決めたい。

向かない早朝に音を立てられない住まい。粗挽きを使う。

杯数ダイヤルに合わせると、設定した杯数ぶんを挽いて自動で止まる(約8,227円)。

粒度ダイヤルと合わせてスイッチを入れるだけで、電動ミルが初めてでも迷いにくい操作です。ホッパーは120g(約12杯分)で、黒基調のため出しっぱなしでも生活感が出にくい形をしています。気になるのは、動作音が大きいという声が目立つこと(「使用中は会話ができないレベル」)。挽き目は「いちばん細かい設定にしてもエスプレッソには粗い」一方で「求めていた粗挽きにはできなかった」という指摘もあり、両端とも突き抜けていません。内部が掃除しにくく古い粉が混ざるという不満や、静電気で張り付くため豆に霧吹きで軽く水をかけて対処している人もいます。

ここに挙げた評価は、前身の KG79J に付いた1,046件のレビューから拾っています。KG79JN は世代が替わったばかりでレビューがまだ3件ですが、変わったのは消費電力(110W→150W)だけで、うす式という仕組みもホッパー120gも同じです。挽き目や音の傾向はそのまま当てはまると考えてよさそうです。

ソリス スカラプラス SK1661

向く細挽きから中細挽きしか使わない。まとめて挽きたい。

向かない粗挽きを使う(フレンチプレス、水出し)。

4台で唯一、ホッパーが約300g入る。最大60秒のタイマー付きで約9,945円。

挽き終わるまで前で待つ必要がなく、電源式なので途中でパワーが落ちず、60g前後をまとめて挽いても均一さが保たれる、という声があります。音は「ハンディ掃除機くらいで、朝に動かしても響かない」という評価が複数あり、4台でいちばん高いのにデロンギより静かだと感じている人がいます。ホッパーが分解でき、コーン刃まで掃除できます。気になるのは、21段階あるのに、中挽きから粗挽きが出ないこと。「21に設定しても中細挽きどまり」という詳しいレビューがあり、水出しコーヒーのように粗挽きを使う淹れ方には向きません。粉を受けるコンテナの造りが安っぽく、周りにこぼれるという指摘もあります。

粉が飛ぶ・音が響くときの対処

  • 挽いた粉が本体に残って落ちてこない。臼式に共通する症状で、粉が落ちる通り道が長いほど起きやすくなります。ひとつは、挽く前に豆へ霧吹きで軽く水を吹く方法です。静電気が減って張り付きが変わりますが、豆が濡れるほどかけると味に影響するので、数滴で十分です。もうひとつは、挽き終わったらコンテナを外す前に本体の側面を数回叩くこと。外してから叩くと、落ちた粉が周りに飛びます。
  • 受け皿の周りに粉が散らかる。コンテナを外す動作で散ることが多いので、外す前に数秒待つと落ち着きます(挽き終わった直後は中で粉が舞っています)。コンテナは真上にまっすぐ引き抜き、斜めに傾けると縁の粉がこぼれます。紙フィルターを直接セットできる機種は、容器との間に隙間ができるサイズだとかえって粉が両方から集まるので、フィルターのサイズを1つ小さくすると収まる場合があります。
  • 動作音が大きくて、朝に使いにくい。豆を砕く音そのものは減らせません。現実的なのは、前の晩に1杯分だけ挽いておくか、ミルの下にシリコンマットや畳んだ布巾を敷くことです。台に伝わる振動音が減り、体感はかなり変わります。挽く量を減らすと時間が短くなるので、鳴っている秒数自体も縮みます。
  • 前に挽いた古い粉が混ざる。本体の内側は洗えない機種がほとんどです。豆の種類を変えるときは、新しい豆を10g程度、捨てるつもりで先に挽くと、前の粉がだいたい押し出されます。刃のまわりに溜まった油分は、ブラシで乾いたまま落とします。水を使うと錆びる機種があるので、説明書の指示を先に確認してください。

淹れ方から選ぶなら

あなたに合うのはどれ? ドリップ1本ならカリタ、細挽きをまとめて挽くならソリス、杯数で決めるならデロンギ、1万円以下で幅広くならコイズミ

  • ペーパードリップかコーヒーメーカーだけで、挽き目を毎回変えない → カリタ CM-50(約4,082円)。軽くて速く、置き場所を選びません。
  • 細挽きから中細挽きを使い、まとめて挽きたい → ソリス SK1661(約9,945円)。300gのホッパーとタイマーが効きます。
  • 朝、ミルの前で待たずに杯数で決めたい → デロンギ KG79JN(約8,227円)。音が出てもいい時間に使える環境なら扱いやすい1台です。
  • 1万円以下で、挽き目の幅がいちばん広いものを探している → コイズミ KKM-0400/S(約5,760円)。掃除の手間を引き受けられるならここです。

粗挽き(フレンチプレスや水出し)を主に使う場合、この4台ではコイズミ以外は届きません。そこだけは先に確かめてください。

最初の1回で決めておくこと

  1. 説明書で、水洗いできる部品とできない部品を確かめる。4台とも刃は水洗いできません。ホッパーや受け皿が外せるかは機種で違います。
  2. 置き場所と、コンセントの位置を決める。本体は750g〜1.5kgで、挽くときに振動します。高さが178〜285mmあるので、吊戸棚の下に入るかを測っておきます。
  3. いつも飲む淹れ方で、目盛りを1つ決める。1杯ぶんを挽いて、ドリッパーで落ちる速さを見ます。速すぎれば1つ細かく、詰まるようなら1つ粗く。決めた数字を本体にテープで貼っておくと、毎朝迷いません。
  4. 下にマットを敷く。振動音が減り、こぼれた粉もまとめて片付けられます。
  5. ブラシを手の届く場所に置く。付属のハケは小さいので、届かない場所が出てきたら別のブラシを足します。

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いま決めなくてかまいません。ミルだけ先に置いて、しばらく使ってから考えても遅くはありません。


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