カセットコンロの火力は値段で決まらない。差は風防と厚みに出ます

安いほうが火力は強いです。値段の差は、風と厚みに出ます。2,980円が3.5kW、5,617円が 2.4kW。道具しらべの比較記事のアイキャッチ

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うちのカセットコンロは、冬は食卓の真ん中にいて、3月を過ぎると戸棚の上で場所を取っていました。防災のつもりでベランダに持ち出したら、風で火が揺れて消え、弱火にすると余計に消えました。選び直そうと売り場の数字を並べると、火力の順と、値段の順が一致しません。この記事では、実売2,000円台から6,000円台の定番4機種を、火力・風・しまったときの厚みの3点で比べます。

4機種の最大火力。アイリスが3.5kW、イワタニの2機種が3.3kW、スノーピークが2.4kW

カセットコンロが向かない人

  • 屋内で長時間、大鍋を煮込みたい人。最大火力は3.5kW程度で、家庭用ガスコンロの強火(4.2kW前後)には届きません。ボンベ1本の連続燃焼も70〜75分で、何時間も炊くとボンベを何本も使います。
  • 鍋底が24cmを超える鍋を載せたい人。イワタニのタフまるは「なべ底24cm以下」と明記しています。他の3機種は記載が見つかりませんでしたが、卓上サイズである以上、大きな鍋は安定しません。
  • 電気だけで完結させたい人。停電に備えるなら、ガスボンベの備蓄とセットです。ボンベには使用期限(製造から約7年が目安)があり、入れ替えが要ります。

カセットコンロは火力・風・厚みで見る

火力は値段の順になっていません。いちばん安いアイリス(約2,680円)が3.5kWで最大、上から2番目に高いスノーピーク(約5,617円)が2.4kWで最小で、差は1.1kWあります。イワタニの2機種は、価格が倍近く違っても同じ3.3kW(2,800kcal/h)でした。スノーピークは火力に言及した62人のうち10人が否定的(16%)で、不満の比率は4機種でいちばん高くなります。評価が集まるのは、デザインと携帯性です。高いほうがよく燃える、という考えは、この4機種には当てはまりません。

「防災にも使える」と「風に強い」は別です。4機種とも売り文句に防災や停電対策が入っていますが、風防を持つのはタフまるだけです。外側と内側の二重構造(ダブル風防ユニット)で、風に強い点に言及した107人のうち101人が肯定的でした。残る3機種に風防はなく、私がベランダで火を消したのも、屋内前提の道具をそのまま外に出したからでした。屋内で足りるのか、ベランダや庭でも使いたいのかが、防災用として考えるときの分かれ目です。

しまったときの高さは、1.5倍違います。使わない時期のほうが長い道具なので、収納の寸法も効きます。CB-SS-1の高さ8.4cmとタフまるの12.9cmでは、収まる棚や引き出しが変わります。スノーピークだけ考え方が違い、五徳をたたむと細長くなって立てて置けます。収納ケースは、CB-SS-1がカバーとケース付属、タフまるが専用キャリングケース付属、スノーピークは別売りです(アイリスは記載が見つかりませんでした)。

カセットコンロを火力と厚みで並べる

4機種のしまう高さ。イワタニ CB-SS-1が8.4cm、アイリスが8.6cm、タフまるが12.9cm。スノーピークは折りたたむと立てて置ける

機種 価格 最大火力 風防 しまう形
アイリスオーヤマ IGC-E1-G 約2,680円 3.5kW なし 高さ8.6cm
イワタニ CB-SS-1 約3,930円 3.3kW なし 高さ8.4cm
スノーピーク GS-600 約5,617円 2.4kW なし 折りたたみ13.7×11.7×27.9cm
イワタニ タフまる 約6,995円 3.3kW ダブル風防 高さ12.9cm
くわしい仕様を見る(評価・連続燃焼・サイズ・質量・ヒートパネル・鍋底・ケース・安全装置・生産国)
機種 Amazon評価 連続燃焼時間 本体サイズ・質量 ヒートパネル 使える鍋底 ケース・安全装置 生産国
アイリスオーヤマ IGC-E1-G ★4.2(4,424件) 記載なし 33.0×27.4×8.6cm・質量記載なし 記載なし 記載なし どちらも記載なし 中国
イワタニ CB-SS-1 ★4.5(1,076件) 約70分 33.5×27.5×8.4cm・約1.3kg あり(マグネット式) 記載なし カバー・ケース付属/圧力感知式 記載なし
スノーピーク GS-600 ★4.5(2,644件) 記載なし 折りたたみ時 13.7×11.7×27.9cm・質量記載なし なし 記載なし ケース別売/安全装置は記載なし 韓国
イワタニ タフまる ★4.6(1,729件) 約75分 34.1×28.3×12.9cm・約2.4kg あり 24cm以下 専用ケース付属/圧力感知式 日本

数値・価格・評価は執筆時点のものです。仕様は各メーカー公表値、価格・評価はAmazon掲載値です。「記載なし」は、メーカーの仕様に記載が見つからなかった項目です。

連続燃焼時間は、イワタニの2機種が出しています。鍋底の径を出しているのは、タフまるだけです。アイリスとスノーピークは、記載が見つからない項目が多くあります。火力の数字が大きくても、それを裏付ける燃焼時間が分からなければ、比べようがない部分が残ります。

カセットコンロ4台が力を入れているところ

アイリスオーヤマ IGC-E1-G

向く屋内の卓上だけで使う人。費用を抑えて火力を取りたい人。

向かない屋外でも使いたい人。買う前に数字で確かめたい人。

2,000円台で3.5kW。値段あたりの火力では、4機種でいちばん割がいい。

Amazonの商品ページの「お客様の声」(レビューの要約・執筆時点)では、使いやすさに触れた93人のうち90人、価格に触れた94人のうち86人、色合いに触れた80人全員が、肯定的でした。オリーブグリーンやオフホワイトなど色の展開があり、卓上に出したままでも気にならないという声が並びます。弱点は2つで、ひとつは品質への不満が4機種で最多なこと(130人中17人・13%。点火のしにくさ、ツマミの硬さ、作りの粗さ)。もうひとつは公表数字の少なさで、連続燃焼時間も質量も鍋底の径も見つかりませんでした。3.5kWがどのくらい続くのかが分かりません。

イワタニ スーパー達人スリム CB-SS-1

向くしまう場所の高さが限られている人。屋内で長く使いたい人。

向かないベランダや庭で使う予定がある人。

高さ8.4cmで4機種でいちばん薄く、不満そのものが少ない。

棚の隙間や引き出しに入ります。薄型に言及した53人のうち51人、使いやすさは83人中79人が肯定的でした。連続燃焼時間は約70分で、ヒートパネル(マグネット式)でボンベを温める構造のため、ボンベが冷えて火力が落ちるのを抑えられます。圧力感知式の安全装置とカバー・ケースも付きます。弱点は火力と風で、3.3kWはアイリスより0.2kW低く、火力に言及した46人のうち5人が否定的でした。風防はなく、屋外では消えやすいです。薄いぶん五徳も低く、大きな鍋だと安定しにくいという声もあります。

スノーピーク HOME&CAMPバーナー GS-600

向くしまう形と見た目を優先する人。立ててしまえる場所がある人。

向かない短時間で沸かしたい人。火力の数字で選びたい人。

折りたたむと13.7×11.7cmになり、立てて置ける。評価は「形」に集まっている。

デザインに言及した81人のうち80人、使い勝手は137人中132人、携帯性は58人中55人が肯定的です。弱点ははっきりしていて、火力2.4kWです。他の3機種より0.9〜1.1kW低く、火力への不満も62人中10人(16%)と最も高い比率でした。収納ケースは別売りで、連続燃焼時間も鍋底の径も記載が見つかりません。生産国は韓国です。

イワタニ タフまる CB-ODX-1

向くベランダや庭でも使う人。防災用として備えておきたい人。

向かない薄くしまいたい人。屋内の卓上だけで使う人。

風防を持つ唯一の機種。連続燃焼時間は約75分で4機種最長(公表値)。

屋外でも火が消えにくく、品質への評価も163人中156人が肯定的で、日本製、専用キャリングケース付きです。弱点は大きさと重さで、高さ12.9cm、2.4kgのため、卓上でもしまうときも場所を取ります。使える鍋底は24cm以下で、大きめの鍋は載せられません。価格も4機種でいちばん高いです。

コンロの火が消える・弱くなる・入らない

  • 外で使うと火が消える。風防のない機種で起きます。風下に体や壁を置く、鍋で炎を覆うように配置する、といった対処はできますが、構造で対応しているのはタフまるだけです。屋外で使う頻度が高いなら、道具を替えるほうが早い場面もあります。
  • 終盤になると火力が落ちる。ボンベが冷えてガスが気化しにくい状態で、ヒートパネル付き(CB-SS-1、タフまる)はこの現象を抑える構造です。付いていない機種では、ボンベを手で温めるのは危険なので、使う前に室温に戻しておくのが現実的です。冬場に寒い場所から出してすぐ使うと、最初から火力が出ません。
  • 鍋が載らない・ぐらつく。五徳の径に対して鍋底が大きすぎると起きます。タフまる以外は鍋底の記載が見つからないので、手持ちの鍋の底の直径を測ってから選びます。薄型は五徳も低く、深い鍋だと重心が上がって不安定になります。
  • しまうときに箱が邪魔。化粧箱は大きいので、付属のケースがあるならそちらに移すと一回り小さくなります。ケースがない場合は、厚手の袋に入れて埃を防ぐだけでも違います。
  • ボンベの期限が切れていた。使用期限は製造から約7年が目安です。防災用に備えるなら、普段の鍋で古いものから使って買い足します。しまい込むと期限切れに気づきません。

カセットコンロは使う場所で決める

どれを選ぶか。屋内の卓上だけならアイリス、薄くしまうならCB-SS-1、屋外でも使うならタフまる、立ててしまうならスノーピーク

  • 屋内の卓上だけ。費用を抑えたい → アイリスオーヤマ IGC-E1-G。約2,680円で3.5kWと、値段あたりの火力では4機種でいちばん割がよくなります。
  • しまう場所の高さが限られている → イワタニ CB-SS-1。高さ8.4cmで、ヒートパネルとケースも付きます。
  • ベランダや庭でも使う。防災用に備えておく → イワタニ タフまる。二重の風防を持つ唯一の機種です。
  • 立ててしまいたい。見た目も選びたい → スノーピーク GS-600。折りたたむと13.7×11.7cmになります。

カセットコンロを買う前に確かめること

  1. しまう場所の寸法を測る。高さ8cm台と12.9cmでは入る場所が変わります。立ててしまうなら、スノーピークのように細くなる形もあります。
  2. 手持ちの鍋の底の直径を測る。タフまるは24cm以下と明記。他の機種は記載が見つからないので、卓上サイズに収まるかを現物で確かめます。
  3. 説明書で「使ってはいけない鍋」を確認する。受け皿より大きい鉄板、2口をまたぐ大型のプレート、土鍋の一部などは、ボンベが加熱されて危険です。
  4. ボンベを室温に戻してから使う。寒い場所から出してすぐだと、最初から火力が出ません。ヒートパネルのない機種では特に効きます。
  5. ボンベの本数と期限を決めておく。防災用に備えるなら、普段の鍋で古いものから使って買い足す形にします。

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